がんポータルサイトはこちら
インタビュー

胆管がんとは-胆管の役割と胆管がんの分類

胆管がんとは-胆管の役割と胆管がんの分類
齋浦 明夫 先生

順天堂大学医学部附属順天堂医院 肝胆膵外科 教授

齋浦 明夫 先生

この記事の最終更新は2016年03月30日です。

胆管がん膵臓がんと同様、治りにくいがんといわれています。ではそもそも胆管はどのような役割を持つのでしょうか。胆管の役割と胆管がんの分類について、がん研有明病院 消化器センター 肝・胆・膵外科部長の齋浦明夫先生にお話しいただきました。

胆管は、肝臓から十二指腸まで胆汁(肝臓でつくられた消化液)が通る管のことをいいます。胆のうは胆のう管で胆管につながっており、胆汁を一時的に貯めて濃縮することができます。胆管は、肝臓の中から徐々に合流して太くなっていきます。左と右の胆管が肝臓の外で合流して1本となり、この合流する部位を肝門部と呼びます。肝臓の中を走る胆管は肝内胆管、肝臓の外から乳頭部の手前までを肝外胆管と呼びます。胆管、胆のう、乳頭部を合わせて胆道と呼びます。

胆管の構造

胆道がんは、次のように分類されます。

胆道がんのうち、さらに胆管がんは次の2つにわけられます。

  • 肝外胆管がん
  • 肝内胆管がん

肝外胆管がんは胆管の上皮(胆管内側の表面をおおう粘膜)から発生する悪性腫瘍です。またその発生した胆管の部位により、次のように分類されます。

  • 肝門部(領域)胆管がん
  • 遠位胆管がん

肝内胆管がんは胆管細胞がんと呼ばれることもあります。またがん治療のルールブックでは、肝内胆管がん(胆管細胞がん)は肝臓にできたがんとして、肝細胞がんと一緒に原発性肝がんとして取り扱われています。

胆管がんの発育は、大きく分けて次の3つがあります。

肝外胆管がんで最もよくみられます。胆管上皮から発生したがんは、インクが紙に染み込むように周辺へ広がります。肝外胆管がんでは頻度が多く、予後が悪いとされています。

肝外胆管がんでみられます。主に胆管の内側の空間に向かって、きのこのような形に盛り上がるように大きくなります。肝外胆管がんでは頻度が少なく、予後が良いとされています。肝内胆管がんでもみられる場合もありますが、その場合も比較的予後が良好です。

腫瘍がかたまり(腫瘤)をつくって大きくなります。肝内胆管がんではもっともよくみられます。

肝外胆管がんは、主に①と②の発育形式をとります。肝内胆管がん(胆管細胞がん)は主に③の発育形式をとりますが、②やまれに①の発育形式をとる場合もあります。注意が必要なのは、肝内胆管がんにおいて、①と③が混合している場合です。この形式のがんは予後が悪く、手術法も肝外胆管がんと同様の手術を行います。基本的には①の要素をもっている場合に予後が悪いとされていますが、早期に見つかれば治癒の可能性は高くなります。

がん情報センターによると、日本における2013年の胆のう・胆管がん死亡数は男性約8,900人、女性約9,300人であり、それぞれがん死亡全体の4%および6%を占めます。日本では罹患率は横ばいです。一般的には発展途上国に多い病気ですが、近年は肝内胆管がんが欧米で急激に増えています。原因はわかっていません。

受診について相談する
  • 順天堂大学医学部附属順天堂医院 肝胆膵外科 教授

    齋浦 明夫 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

    関連記事

  • もっと見る

    関連の医療相談が12件あります

    ※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。

    「胆管がん」を登録すると、新着の情報をお知らせします

    処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。